
テルミン(Theremin)は、1920年にロシア(当時はソビエト連邦共和国)の物理学者、レフ・セルゲーヴィチ・テルミンにより発明・開発された楽器で、「世界最古の電子楽器」といわれています。
楽器の2本のアンテナから発する電波を、演奏者が手を近づけたり遠ざけたりする動きにより、音程・ボリュームを変化させることで、楽器に「手を触れずに演奏」します。
手の舞踊のような演奏スタイルや、人の声や弦楽器の音色を思わせる、暖かみのある音が特徴です。
開発者テルミン博士による欧州から米国への普及活動や、アメリカの大手電機メーカーRCAから楽器が販売されたことで演奏者も増加し、映画音楽に起用されるなどの普及・発展をしましたが、テルミン博士の消息が長らく不明になるなどした第二次大戦以降は徐々に存在が忘れられ、数少ない愛好者やプロミュージシャンの間のみで演奏されてきました。
1990年代に、シンセサイザーのパイオニアであるロバート・モーグ氏により改良された楽器がMoog社より再販され、テルミン博士の生涯を描いたドキュメンタリー映画の公開などにより脚光を浴びることになり、ふたたび世界中でプロ・アマチュア問わず演奏されるようになりました。
日本でも日本人演奏者による演奏活動・教室開設や、学研の「大人の科学 テルミン mini」などが発売されたことにより、その存在が知られるようになり、愛好者を増やしています。
